近年、品種改良が盛んに行われているメダカは、繁殖させやすく手軽に変わった品種を作出できるのが大きな魅力です。
敷居が低いこともあって、挑戦する人も少なくありませんが、
「思ったようなメダカが現れない」と嘆く声をよく耳にします。
これは、「固定」ができていない、もしくは「固定率」が低いことが大きな要因です。
固定するポイントを押さえて、形質(特徴)が現れる確率(固定率)を上げることができれば、きれいなメダカを安定して生み出すことは不可能ではありません。
そこで、今回はメダカの繁殖で品種を固定する4つのポイントをご紹介します。
AQUAさん
メダカの繁殖でよく聞く「固定」とは
品種を固定するポイントをご紹介する前に、「固定」について解説します。
メダカの繁殖における固定とは「形質(特徴)が確実に現れる状態」を指します。どういうことかと言うと、親の持つ形質が子供に受け継がれる確率は一定ではないので、理想の品種を作出するためには交配を工夫してその確率を上げなければなりません。
このように、目的の形質を現れやすくする工程を「固定」と呼び、現れる確率を「固定率」と呼びます。
例えば、ヒレの長いメダカが生まれて、この形質を固定しようと交配しても10匹に3匹しかヒレの長いものが生まれない場合、固定率は30%です。
余談ですが、通販でメダカの卵を購入した際に写真の親メダカと違う模様ばかり生まれるのは固定率が低いことが原因です。
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メダカを固定するために必要な4つのポイントをご紹介します。
これらを押さえておかないと、目的の品種を固定するのは難しいので、繁殖に挑戦する方は参考にしてみてください。
特徴がはっきり現れているメダカをかけ合わせる
固定するために最も重要なポイントは、特徴が明確に現れているメダカ同士をかけ合わせることです。
例えば、紅白のメダカを固定したい場合は、赤い部分と白い部分がはっきりと分かれて色の濃いメダカを親に選びます。好みにもよりますが、色がにじんでいたり薄かったりなどするものはあまり向いていません。
また、生まれてくる子供に紅の割合を増やしたい場合は紅の割合が多いメダカを、白の割合を増やしたいのであれば白の割合が多いメダカを親に選ぶなど、目的に応じて親を選別することも重要です。
生まれたメダカで交配を繰り返す
生まれたメダカ同士で交配を繰り返すと、固定しやすくなります。
生き物全般に言えることですが、近親交配は弱い個体や奇形が生まれる可能性が上がってしまうため避けなければなりませんが、メダカは近親交配してもこれらのも問題が現れる可能性が低いです。
そのため、より目的の形質を持つ確率が高い血統をかけ合わせることによって固定できる確率が高まります。
体格の良いものを親にする
模様や色だけでなく、体格も遺伝します。
どれだけ、理想的なメダカが生まれても生存率が低ければ繁殖以前に死んでしまうため、できるだけ体格が良く状態の良いメダカを親に選ぶと良いでしょう。
同様の理由で繁殖に適した環境を整えることも必要不可欠です。固定するためには効率よく繁殖を繰り返す必要があるため、“健康的に繁殖に参加できる状態”まで育てられるかが重要になります。
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メダカを固定するポイントをまとめます。
- はっきりとした形質を持つメダカ同士のかけ合わせ
- 近親交配
- 効率良く繁殖できる環境作り
これらに配慮して繁殖させれば固定までの道のりを短縮することができます。
ただし、メダカの固定は一筋縄ではいかないことも多々あるので、それも含めて楽しむこと大切です。
メダカの産卵と繁殖 その1【産卵編】 メダカの産卵と繁殖 その2【孵化編】 メダカの産卵・繁殖 その3【成長編】
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