『塩水浴』と言えば、金魚の体調不良を改善する際に行うイメージが強いですが、メダカにも効果的です。
薬浴と比べるとリスクが小さく家庭に置いてある塩だけでよいので、だれでも行うことができます。ただし、濃度や期間など方法を誤ると、かえってメダカにダメージを与えてしまうため注意が必要です。
今回は、メダカの体調不良を治す塩水浴の効果と方法を解説します。
AQUAさん
塩水浴がメダカに与える効果
塩水浴には、メダカの負担を減らし回復力を高める効果が期待できます。
「塩水にするだけでなぜ?」そう思われるかもしれませんが、それには「浸透圧」が関係しています。当たり前のことですがメダカは淡水魚なので、飼育水としては淡水が適した水です。
ただ、メダカの体液と淡水では体液の方が濃度は濃いため、なにもしなければ浸透圧によって水分が体内に入り細胞が壊れてしまいます。これを防ぐために、普段は入ってくる水分を粘膜で調節しているわけですが、言い換えると「常に負担がかかっている状態」といえます。
塩水浴は飼育水に塩を加えることで、メダカの体液の濃度に近付け浸透圧調整の負担を減らすことが可能です。結果的に浸透圧調整のエネルギー消費を抑え、その分を回復に回せるので、体調不良の改善が期待できます。
メダカを病気の発生から守るための注意点5つメダカを塩水浴させる方法
メダカを塩水浴させる方法を順に解説していきます。
難しくはありませんが健康状態が良くないメダカに行うのが前提なので、誤った方法では致命的なダメージを与えてしまう可能性があることを認識しておいてください。
メダカを隔離する
メダカを塩水浴させる場合は、初めに別の水槽に隔離しましょう。
これは、塩水が一緒に飼育しているエビや水草に悪影響を与えてしまうことがあるためです。
塩水の濃度を0.5%に調節する
ジェックス シーウォーター25L用
メダカを隔離した水槽に塩を入れます。
塩水の濃度は0.5%(水1Lに対して塩5g)に調節するようにしましょう。1度に全量を入れずに少しずつ溶かしながら目的の濃度に近付けます。
期間の目安は1週間
塩水浴を始めたら1週間程度を目安に様子を見ましょう。
隔離水槽はバクテリアがおらず水質が悪化しやすいため、この期間は給餌を控えた方が良いです。状態が改善しないようであれば少量の給餌をしつつ期間を延長、もしくは薬浴に切り替える必要があります。
塩水の濃度を少しずつ下げて戻す
状態が改善したら、塩水の濃度を少しずつ下げて淡水に移行して元の水槽に戻しましょう。
間違っても、元の水槽に直接移してはいけません。水質の急変で、大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
塩水浴で効果がない場合は薬浴に切り替える
冒頭でもお話ししましたが塩水浴の効果は、病気に直接作用するというよりも回復力を高める意味合いが強いです。
効果がない場合は、症状に合わせて薬浴に切り替えましょう。ただ、塩水浴は病気の症状がはっきりと現れにくい初期症状の段階でも行えるため、重篤化する前に処置できるというメリットがあります。
「体に異変はないけれど調子が悪い」そのような場合に、まず塩水浴を行うのも1つの手です。
塩水浴はメダカの健康を管理するために必要な技術
塩水浴はメダカの回復力を高め、体調不良を改善する効果的な方法です。
難しいものではないので、餌を食べなかったり泳ぎがおかしかったりなど、異変を感じた場合に、ここで解説した方法を実践してみてください。メダカが死んでしまうリスクを減らすことができるはずです。
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