AQUAさん
室内飼育ですと、温度や日照時間の管理をすれば1年中元気なメダカの姿を見ることができますが、その分手間ひまがかかります。屋外飼育は室内飼育よりも手軽にでき、睡蓮など様々な水生植物と一緒に育てることができますが、冬になると当然、メダカは冬眠してしまいます。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、飼育方法を考えてみましょう。
このページの目次
屋外飼育のメリット
飼育を続けている人のほとんどは屋外飼育はメダカの『成長』に大きなメリットがある、と口を揃えます。もちろん、室内水槽飼育はメダカをじっくり観賞したり、夜でもメダカを眺めることができるなど、屋外にはないメリットがあります。
屋外の環境は、まず太陽光が強いためメダカの活性が上がります。そして、風がふけば水面を揺らし、酸素が容器に溶け込みます。太陽光により藻類、コケが発生すると、それを捕食する微生物が繁殖し、メダカたちはエサが足りないときにそれを捕食します。
特に稚魚はエサの回数が成長に比例するため、室内水槽と屋外では成長に大きな差が開きます。稚魚のときは大きな容器でなくても、プラケースなどを使い、少しコケが生えた状態で短期育成するのも良いでしょう。
屋外飼育の楽しみ方
春~夏、玄関先や庭にある睡蓮鉢や水鉢で、スイスイと気持ち良さそうに泳ぐメダカの姿を見ることが多いと思います。
水草などを一緒に育てる事で、情緒溢れる風景を楽しむこともできます。
室内の水槽のように、メダカを横から眺めることはできませんが、元々メダカは川や池に住んでいた魚ですので、上から鑑賞するのが本来の楽しみ方なのです。
屋外飼育できるメダカの種類
メダカと言っても種類は様々。
品種改良を重ねたメダカは自然に適応しにくく、屋外飼育をすると死んでしまった、なんてことも多々あります。また、猫や鳥の被害に遭うことを考えると、やはりスタンダードなメダカ中心のほうが安心です。ここでは屋外飼育に向いたメダカの種類をご紹介します。
改良メダカから選ぶ
幹之(みゆき)メダカ
メダカブームの火付け役にもなった品種。幹之は作出した人の名前。背中が強く輝き、様々な色彩が作出されています。
楊貴妃めだか
赤色が強い品種は更に違う名称で呼ばれることもあります。エサで赤くなるわけではなく、メダカそのものが持つ色彩です。
飼育器具について
飼育容器
メダカはお日様の下ではとても元気です。飼育容器は鉢形状、四角い容器などありますが、水面が広いほど酸素が溶け込む効率があがります。いくつかおすすめの容器をご紹介しましょう。
GEX メダカのための飼育鉢
屋外でも使えるプラスチック製のメダカ専用容器。 工夫されている点は、雨が降ったときに水抜け穴から水が排水されること。縁から溢れて、親メダカや稚魚が外に出てしまうことを防ぐことができます。サイズ、色も選べます。
GEX メダカ元気 快適・繁殖ケース
通常の発泡スチロールよりやや固めに加工された角張った容器。断熱効果があるので、冬場の飼育でも安心です。特徴は積み重ねができること。ベランダなどで容器の数を増やしたい人にも最適です。サイズが3種類あります。
砂利
屋外飼育に砂利は必要でしょうか。考え方は2通りあります。まず、メダカの繁殖や生育などに的を絞る場合は、砂は使用せずに、水換えや掃除の手間軽減を優先したほうがいいでしょう。砂利を入れることでの水質安定化効果がない分、定期的な水換えをしなければなりませんが、掃除のしやすさは砂を入れないほうがいいです。
もうひとつの選択肢は砂を入れる、こと。水草を育てる、汚れが目立たない、汚れを分解してくれるバクテリアの繁殖効果も期待できます。何を選んだらいいか迷いますが、市販されているメダカ用の砂の中でも、ソイルなど、土系のほうが屋外飼育での相性は良さそうです。
水草
屋外飼育に使う水草はいくつかあります。大きく分けると水中の水草と、水面の水草があります。水面に浮かべるホテイアオイは園芸売場でもよくみかけます。メダカは産卵した卵を水草や浮草の根っこに産み付けます。
水中の水草は景観になるだけでなく、水中の余計な栄養分を吸収してくれるので、コケが発生する要因を抑制します。浮草よりも効果が高いでしょう。また、エビなどを入れる場合は水中の水草は隠れ家になります。
条件が整うと、浮草や水中の水草は爆発的に増殖することがあります。メダカが泳ぐスペースさえなくなることがあるので、増え過ぎたら取り除いていきましょう。
その他あったら便利なもの
フィッシュネット
稚魚を見つけて隔離したいとき、目の細かいフィッシュネットがあると便利です。どんな容器にしていたとしても、水をすべて入れ替えるなどの必要があるときは、メダカを分けてあげるためにも、大きなフィッシュネットと、小さなネット、2つあっても便利です。
日よけ
夏場など、直接太陽の光が当たらないように、よしず等を置いて急激な水温上昇を防ぎます。小さなすだれなどを容器の上に置いても効果があります。
エアレーション
水中に空気を送り込みます。市販されるエアーポンプのほとんどは室内用です。室内で駆動させて、エアチューブを外に引き出すのが良いでしょう。
夏場、水温があがると溶け込む酸素量が減るため、酸欠が起きやすくなります。酸欠で直接死んでしまうことはなくても、弱ってしまうこともあります。また、繁殖により稚魚が増えた場合の酸欠にも注意していきましょう。
飼育数が少ない場合は必ずしも必要、というわけではありません。
屋外飼育環境(ビオトープ)の作り方
屋外飼育が簡単と言われる理由は、ビオトープにあります。
ビオトープとは生物の生息空間のことを言い「生物が住みやすいよう自然な状態の環境を作る」ことをいいます。つまりは人工の生態系です。
光は太陽の光を、砂利や植物・バクテリアが水を浄化し、自然に酸素を補ってくれます。
微生物や水草、苔がメダカのエサになりますので、エサやりの回数も減ります。
こういった自然のサイクルを作ることで、人間の手をほぼ加えることがなくなりますので、室内飼育よりも簡単に、費用も安く飼育する事ができます。
ビオトープの作り方
お庭にちょっとした池をつくったり、ベランダで広めの容器をつかってビオトープづくりにもチャレンジしてみましょう。

エサについて
メダカには胃がありませんので、少しずつしかエサを食べられません。5分以内で食べつくす量を1日に2~3回与えましょう。エサを食べる様子を毎日見ているとメダカの状態も分かるようになります。
成長を促進するにはエサの回数を増やすのがポイントですが、実際は昼間の間はエサを与えられない人も多いと思います。そんなときにおすすめなのがこちらのフードです。
12時間以上浮いていて、少しずつメダカがエサを食べることができるます。
天敵について
屋外飼育ですので、外敵に狙われることも多々あります。ここではメダカの天敵とその防止方法についてご説明します。
ヤゴ
トンボの幼虫であるヤゴは、水中に生息する水生昆虫です。肉食でメダカを補食してしまいますので、注意が必要です。
やっかいなのは普通に見ているだけでは、まず見つけることできないこと。トンボは複数の卵を産み落としていくので、1匹いたら10匹以上いる、と思ったほうがいいでしょう。もしみつけたら、かわいそうですがすぐに駆除。メダカたちをすぐに救い出して、容器、池ごと丸洗いしてしまいましょう。
容器や池にネットをかけると効果的。ネットが水面から10cmくらい離れていると安心。
タイコウチやミズカマキリなどが紛れ込んでいることもあるので、メダカがいつのまにか減っているときは、一度調べてみると良いでしょう。
鳥(カラス、シラサギ、セキレイなど)
鳥たちは人のいない時間を狙って近づいてきます。一度味を覚えると、すべてのメダカを食べ尽くしてしまうことも。
最大の防止策はトンボ同様、ネットが効果的。人通りのあるところに容器を置くことも対策になります。水草をたくさんいれて、メダカの隠れ家をつくることも対策になります。
ザリガニ・肉食性のエビ
自然からメダカを採取したりした場合に一緒に紛れ込むことがあります。一番多いのは、川や用水路から水草を採ってきた時。
水草に小さなエビやザリガニの子供が潜んでいて、それが成長してメダカを食べてしまうケースです。
AQUAさん
いずれにしても、メダカが急に減ってきた場合は、怪しい捕食者がいないかどうか、一度チェックしてみましょう。