メダカは元々丈夫な魚ですので、水が漏れない容器と、水。それと、メダカの隠れ場所になるような物(流木や水草など)と、エサ。があればメダカを飼うことができます。屋内でも屋外でも飼育は可能ですが、ここでは水槽を使って屋内で飼育する方法をご説明します。
一般にメダカの寿命は1~2年と言われていますが、人工的な飼育下では長いものでは、4~5年生きる個体もあるようです。
メダカの室内飼育に必要なもの
飼育容器の大きさの目安
飼育容器は、メダカのおうちとなる水槽です。飼育匹数により大きさを決めてください。1匹/1リットルを目安に水槽を選びましょう。数匹なら金魚・メダカ鉢で飼育できます。
また、あまり知られていませんがメダカは繁殖期、オスの縄張り争いが強くなります。メスをめぐってあまり喧嘩が絶えないようだと、弱いオスはいじめられてしまいます。そのためにも余裕をもった広さの水槽を用意したいものです。
水草と底砂
基本的にメダカは田んぼや小川に住んでいる魚ですので、泥底を本来は好みますが泥にかぎらず砂や砂利などでも問題はありません。市販されている大磯砂、川砂などでも可能ですが、ソイル、と呼ばれる土を加工した底砂は水草育成を考えても最適でしょう。園芸用品の土を使う場合は化学肥料などが入っていないか、しっかりチェックしましょう。水草を植えるなら底に約3cm以上ほどの厚さで入れます。
水草は酸素の補給と卵を産みつける場所、それから水槽内の余分な栄養分(汚れ)の分解者としてバクテリアが棲む場所でもありますのでできれば水草がある方がメダカにとっていい環境だといえるでしょう。
産卵床
メダカは春から夏にかけて産卵を繰り返します。稚魚を育てるのもメダカ飼育の楽しみの一つ。卵を産み付けるための水草や専用の産卵床を使って、しっかり卵と稚魚を守ってあげたいものです。卵はカビやすいので、カビを防ぐ産卵床をつかったり、卵を取り出す容器を別に用意しておくと便利です。
フィルターとエアレーション、水流について
メダカが本来好んですむ場所は、小川や池、田んぼなどの水流のあまりないところなので、メダカの泳ぐスピードは決して速くありません。また瞬間的には素早い動きをすることがあっても、長時間その動きを継続することはありません。このことからメダカが生活するための第一の条件としては、水流が弱いことがあげられます。水槽でメダカを飼う場合にも大きなフィルターやエアレーションなどによって水流が強くなりすぎると、メダカには過大なストレスがかかることになるので注意が必要です。
ただ、メダカは酸素を非常に好むので、水流を工夫しつつエアレーションを使うことが理想です。特に夏場、水温があがり溶存酸素量(水に溶け込む酸素の量)が減ったときはエアポンプは命綱にもなります。週に1度の水替えが理想ですが、ろ過フィルターを使うことでその頻度を多少下げることもできます。
照明器具
メダカ飼育を室内で楽しむならやはりきれいに鑑賞したいもの。そのためには照明器具は必須です。LEDであれば省エネ、寿命も長いのでおすすめです。冬場、ヒーターで保温して産卵を楽しむ際も、照明をつかった日照時間(1日13時間程度)のコントロールが必要です。
水質
メダカを上手に育てるコツは水質管理です。水が良ければ病気になりにくく大きく育ってくれます。
メダカは弱酸性から弱アルカリ性くらいの水を好みます。水をアルカリ性に変えてしまう砂(サンゴ砂等)もあるので注意しましょう。水道の水はほぼ中性なので使えます。ただし消毒の為の塩素がメダカにとって猛毒なのでこれだけは取り除きます。
塩素の中和にはショップ等で販売している「塩素中和剤」を使用するか、もしくはバケツに水を汲んで外に出し2~3日おくなどすればほとんど塩素は抜けます。
ろ過バクテリア
メダカは比較的水を汚さない魚ですが、それでも飼育数が多かったりすると水は汚れてきます。目に見える汚れは気が付きますが、水質の変動などは目には見えないこともあります。水中の汚れ分解の段階で必ず水換えが必要になりますが、水質変動や水質維持を助けるのは「ろ過バクテリア」の存在です。フィルターと同じく、市販されるろ過バクテリアを活用しましょう。
水温
メダカが最も活発に活動する水温は23℃です。この水温範囲に飼育水が保たれていれば、エサ食いも良く、成長も早いものです。メダカを早く大きくしたいときには、水温を高めに設定します。しかしあまり水温が高すぎると、食欲が落ちてきます。(水温が高すぎる)真夏に繁殖行動が鈍ってくるのはそのためといえます。メダカにとって、一日の水温変化の幅が大きいとストレスになりますので、最低温度を一定に保つようなヒーターの使用は病気の発生を防ぐ意味でかなりの効果があります。
また、水温が低くなるとメダカは冬眠します。
エサについて
メダカのエサは、粒状、パウダー状などがあります。
メダカの成長に合わせて1日2回(朝と夕方)くらいで食べきれる量を与えましょう。